ライフ若松
早稲田の街力
住宅アナリストの目による「街力」検証レポート
住宅アナリスト 山本 好延
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閑静な邸宅街
まずは現地を訪ねる。最寄り駅は東京メトロ東西線「早稲田駅」。2番出口を出ると、地下鉄早稲田駅前の交差点が目に入るが、やはり「早稲田の街」らしく、学生が多い。メインとなる西早稲田をはじめ戸山、喜久井町に早大キャンパスが広がっているからだ。また学習院女子大学も身近である。交差点周辺にはコンビニ、ファーストフード、ドラッグストア、書店など、若い世代向けの店舗が並ぶ。お昼時、行列ができるラーメン店もあるほどである。若い世代だけではない。周辺にはケーキ店、生花店、デイケアサービス、明治時代創業の料亭、銭湯まであり、ファミリー、シングル、熟年層も含め多世代が住む快適な住環境が広がっているのである。交差点の一角にある夏目坂を上る。早朝、周辺にある分譲ないしは賃貸の集合住宅から20代~60代のサラリーマン、OL、ディンクスなどがこの坂道を下りてくる。かなりの数である。そう、新宿区戸山、喜久井町、原町といった界隈は、昔ながらの住宅街なのだ。緩やかな坂道を上ると、左手にスーパー・マルエツプチ、右手に早稲田自然食品センター、セブンイレブンなどが見えてくる。プチとはいえ、マルエツには豊富な食材から日用品まできめ細かい配慮がなされた商品が並ぶ。何よりも24時間営業というのがうれしい。インテリの街にふさわしく、健康ファミリー教室などを開催する早稲田自然食品センターも見どころいっぱい。思わず生乳をゲットしてしまったほどである。セブンイレブンの先を右折する。そこには寺院や墓地があり、すっかり落ち着いた雰囲気が広がっている。通りすがりの中年女性がお寺の前で合掌していく光景を、日常的に見ることができる。浄土宗清源寺のところを右折し、坂道をやや下ったところが現地である。この間早稲田駅より徒歩4分と近い。周辺は集合住宅に加え一戸建てが並ぶ、邸宅街を思わせる街である。朝昼晩と訪ねたが、いつもきわめて閑静である。とりわけ夜間は、しんと静まり返るほどである。ここは環状山手線の内側、新宿区内、都心の一角とは思えないほど、貴重かつ希少な立地と思うのは、ひとり筆者のみではないだろう。
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軽快アクセス
最寄りの「早稲田駅」より伝統の和食と新進のフレンチが共存する神楽坂、山手線と交差する高田馬場へそれぞれ1駅2分である。また大手町10分、日本橋11分と、都心有数のビジネスゾーン、ショピングゾーンも手の内である。早稲田駅に加え、現地より徒歩9分の都営大江戸線「若松河田駅」も利用できる。同駅より新宿西口へ4分である。通勤は毎日のことだけに、これほどまでに軽快なアクセスはうれしい限り。まさに勤務先が近く残業も多いサラリーマン、仕事とくらしを両立させ自分らしくありたいと考えるOLやディンクス向きである。また立地特性から大学に通う子弟向きや、郊外の一戸建てから便利な暮らしを満喫できる都心へ引っ越したい熟年層、忙しく働く医者・弁護士・自営業などのセカンドハウス、住居兼オフィスとして利用する起業家、家賃収入などを念頭にした投資用などの多彩なユース、ニーズ向きとも言える。
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資産価値を評価する数々の指標
昨今、筆者のメール宛に「マンションの購入は一生に一度の高額な買い物だけに、転勤など万が一の場合、居室を貸したり、売却する時、資産としての価値は高いか」という質問が相次いでいる。この問い合わせに対して筆者は、①立地特性、②交通アクセス、③ショッピングなど住環境、④落ち着いた街並みを形成する大学キャンパス、⑤高度医療を受けられる病院、⑥広大な公園の有無という指標をクリアしているかどうかと応えている。本物件はどうか。①は、先述した特性に加えて夏目坂の命名の由来は、坂の途上に夏目漱石の生家があったこと、堀部安兵衛が高田馬場に行く途中に景気づけに立ち寄った酒店が現存することなど、歴史を感じる街でもある。また先述したように②③④はクリア、⑤は国立国際医療研究センターや東京女子医科大が揃っているので安心。⑥も、広さ約18万6800㎡の戸山公園が近い。