市谷亀岡八幡宮
神社江戸時代には境内に茶屋や芝居小屋が並び例祭は華やかで賑わった
1479年に太田道灌が江戸城築城にあたり、西方の守護神として鎌倉の鶴岡八幡宮の分霊を勧請し、鶴に対して亀岡八幡宮と称した。当初は市ヶ谷御門内にあったが、外堀の完成で現在地に移転。江戸時代には境内に茶屋や芝居小屋が並び、例祭は華やかで大いに賑わい、浮世絵にも描かれている。銅の鳥居は1804年の建造で、境内の力石と共に新宿区指定有形文化財になっている。
市ヶ谷の街力
住宅アナリスト 山本 好延
立地力
現地を訪ねる。久しぶりに周辺を歩いて驚いたのは、「市谷本村町にまだこんな土地が残っていたのか」ということ。その理由は、第一に悠久の歴史を感じる土地柄であることだ。尾張徳川家の上屋敷、市ヶ谷濠など江戸城の外濠、3代将軍徳川家光ゆかりの市谷亀岡八幡宮など、古きよき時代をいまに伝える由緒ある地だからである。その後、自衛隊駐屯地などを経て、いまや防衛省本省へと、歴史を受け継いでいる。第二に、戦前戦後にかけて市ヶ谷砂土原町から市谷左内町、市谷加賀町、市谷本村町界隈は、緩やかな丘陵地に広がる高級住宅街であることだ。閑静な街並みには、いまも企業のトップ、文筆家、弁護士などが住み、邸宅が建ち並んでいる。第三に、こんな立地にもかかわらず、市ヶ谷と四ツ谷という2つの駅が最寄駅という立地はなかなかないこと。少し足をのばせば、曙橋駅も徒歩圏内である。第四に、外濠公園の桜並木、防衛省の木立など自然にも恵まれているし、落ち着いた街並みが形成されていることだ。現地周辺に住む人に聞いたところ、「確かに通りに面しているが、夜ともなるとしんと静まり返る」と話している。
住環境力
現地を歩いてもうひとつ実感したのが、物件の価値を計る指標を、5つの点でクリアしていることだ。不動産鑑定士などが判定する指標を軸に本物件を分析すると、①先述した「立地力」に加え、②交通アクセス…市ヶ谷駅へ徒歩4分・四ッ谷駅へ同9分と「2駅利用可」、新宿5分・東京9分・大手町5分・渋谷8分など「どこに行くにも便利で近い」、③生活利便性…2つの駅周辺のスーパーや買い物施設に加え、新宿、東京駅周辺などの「多くの人が集まる一大ショッピングゾーンが生活圏」、④文教環境…上智大、法政大、日本大など名だたる大学キャンパスに加え、名門中・高校などもあり「アカデミックな住環境」、⑤医療施設…高度医療が受けられる東京逓信病院、東京女子医科大学病院などが「万が一のときも安心」という5つである。
物件力
物件そのものがもつ「物件力」はどうか。ワンフロア4住戸で全戸プライバシーが確保された角住戸であること、シングル、ディンクス向きを中心とした豊富なプランバリエーションなどが特筆される。そして売主は旭化成不動産レジデンス。同社は単なるマンション販売ではなく、都心市街地を共同化し、建替え、再開発を推進するなど、次代の変化に対応し、ロングライフ住宅のノウハウを活かした都市型マンション「アトラス」シリーズを展開していることに定評がある。この「企業力」にも注目したい。